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  • 弁護士 岩山勝湖

海外との間における職業紹介事業(2)

前回は、国外の人材紹介会社が、日本国内において許可なく職業紹介の一部を行うことは違法ということになる点について説明しました。

もっとも、その様な日本国内の事情だけで全てダメだというわけにもいかない、ということでしょうか。実際には、求人または求職を受けようとする国において「取次機関」を設けることによって、国外にわたる職業紹介を可能としています。ここでいう取次機関は、端的には当該国における人材紹介会社とでも思って頂ければよいと思います。

申請書類について、法令上の整理をするため、以下記載致します。

職業安定法

第三十条

 有料の職業紹介事業を行おうとする者は、厚生労働大臣の許可を受けなければならない。

2 前項の許可を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書を厚生労働大臣に提出しなければならない。

五 その他厚生労働省令で定める事項(※1)

3 前項の申請書には、有料の職業紹介事業を行う事業所ごとの当該事業に係る事業計画書その他厚生労働省令で定める書類(※2)を添付しなければならない。

職業安定法施行規則

(法第三十条に関する事項)

第十八条

  法第三十条第二項の申請書は、有料職業紹介事業許可申請書(様式第一号)のとおりとする。

2 法第三十条第二項第五号の厚生労働省令で定める事項(※1)は、・・・法の施行地外の地域における求人又は求職の申込みについて取次ぎを行う機関(以下「取次機関」という。)を利用する場合における当該取次機関の名称、住所及び事業内容とする。

3 法第三十条第三項の厚生労働省令で定める書類(※2)は、次のとおりとする。

一 申請者が法人である場合にあつては、次に掲げる書類

   ヲ 国外にわたる職業紹介を行おうとする場合であつて、取次機関を利用しようとするときは、当該取次機関に関する書類

(下線及び※につき筆者。尚、※1または※2は、それぞれ法と施行規則との対応関係を示している。)。

尚、手続き的な話にはなりますが、「職業紹介事業の業務運営要領」からの抜粋によれば、

①相手先国の関係法令及びその日本語訳

②取次機関及び事業者の業務分担について記載した契約書その他事業の運営に関する書類及び当該書類が外国語で記載されている場合にあってはその日本語訳

③相手先国において、当該取次機関の活動が認められていることを証明する書類(相手先国で許可等を受けている場合にあってはその許可証等の写し)及び当該書類が外国語で記載されている場合にあってはその日本語訳

といった書面が必要になるようです。

厚生労働大臣の許可の効力は国外には及びませんので、国外にある取次機関に対して許可を与えるということではありません。あくまでも、許可の対象者は日本国内における職業紹介事業者であり、その職業紹介事業者を通じて、国外の人材紹介会社の適正を確認するといった構えになっているというところでしょうか。

勿論、取次機関を利用するのではなく、自ら国外にわたる職業紹介を行う場合についても申請書類について法令上及び要領においての定めはあります。もっとも、大手の人材紹介会社であったり、外資系の人材紹介会社が日本において職業紹介事業を行う場合に該当することが多いのではないかと思うので、今回は割愛致します。

もし皆さんが、国外の人材紹介会社から職業紹介を受けた場合には、(日本国内のどこの会社の取次機関になっているのか、と聞いても分からないとは思いますので)日本国内で許可を得ているのか、確認することをお勧めいたします。

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