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  • 弁護士 岩山勝湖

海外との間における職業紹介事業(6)

職業紹介事業というと、普通にイメージするのは、求職者が転(就)職したいと思う時には、紹介業者のオフィスに行って相談をしたり、可能性のあるポジションの紹介を受けたりということかと思います。

もっとも、現代はこれだけインターネットが発達した世の中です。地球の裏側にいようとも瞬く間にコミュニケーションが可能となる時代です。そこで、例えば求職者は海外に在住していて、日本で職業紹介事業を営んでいる者にメールでアクセスして来たという場合には、直接来ているわけですし、海外の取次機関を通す必要もないのではないかとも思われます。

しかしながら、 一般社団法人人材サービス産業協議会が平成27年1月30日付で発表している、下記の 「 雇用仲介事業に関する規制の見直しによる 民間の労働力需給調整機能の活用に関する意見書」

http://j-hr.or.jp/wp/wp-content/uploads/shokuanhouiken.pdf

等を見ますと、現行の職業安定法施行規則においては、外から直接の求職申込があったとしても取次機関を使うことを前提としていることのようです。

過去のパブリックコメント等の経緯はきちんと調査をしていないのですが、つまりは海外からある方が発信する場合には、潜在的にはその海外の国で職業紹介事業の「あっせん」の一部が行われているという解釈をしているということなのでしょうか。いずれは改定がなされていくのではないかとは思いますが、現状では海外を跨ぐということに対する規制は厳しいものがあると言えます。

尚、もし上記の解釈が正しいのであれば、例えば特定技能労働者の採用にあたって、技能実習等の実績があって既知の場合でも、日本から特定技能労働者の送り出し国の人材紹介会社に紹介の依頼をするということもまた、その当該国の人材紹介会社は日本の許可が必要ということが言えてしまいますね。

グレーゾーンのようなところにはなりますが、公権的な解釈としてそれを可とするものがない以上、私がお客様や関与先からご相談を頂いた場合には、きちんと取次機関を通じてのみ紹介をする仕組みを整えるように推奨をしております(目先の手数料は減ってしまうかもしれませんが、実際には現地の会社さんの力無しには書類の整備等大変だろうとは思います)。ちなみに、下記はフィリピンと日本の職業紹介事業者間でのビジネスパートナーシップを検討している関与先のために作成した資料です。

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