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  • 弁護士 岩山勝湖

育児期間中の個人事業について

先般、表題の件についての確認依頼を頂きました。

 もう少し丁寧に書きますと、ある方が育児介護休業法に基づく育児休業制度の適用を受け、それに基づいて育児休業給付金の支給を受けているのですが(正確には、給付金の支給根拠は雇用保険法及び同施行規則になります)、その場合において、個人事業を営むことが出来るかというものでした。

 簡単に言えば、育児休業給付金は、育児休業している間は休業前の賃金の67%(6か月後経過後は50%)を支給するというものです。ある程度の生活の糧は国が面倒を見るので、育児に専念して下さいとでも言えば良いでしょうか。もっとも、受給しているからといって一切の就労を禁じているわけではありません。これもまた簡単に言えば、毎月10日以内であるか、10日を超えても80時間以内であれば、育児休業給付金は支給されることになっています。但し、給付金と賃金の合計が80%を超えた場合には、その超えた分については減額の対象となります。生活のためにお金が必要なことは分からないではないが、80%でやり繰りして下さいということと考えておけば良いでしょうか。ですので、休業前の賃金の80%を超えると、一切支給されなくなるという仕組みになっています。

 以下は、厚生労働省のリーフレットですので、ご参照ください。 https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shokugyouanteikyoku/0000178877.pdf

 さて、ここで注意して頂きたいのが、リーフレットに記載してあるのは、「就業している日が」10日、「就業時間が」80時間等と「就業」と記載されていること、また、「賃金」が支払われた場合を前提としているということです。とすると、いわゆる労働時間や賃金の概念が当てはまらない個人事業を営むような場合はどの様に扱うのかということです。今回、確認依頼を受けたのがまさにこの点でした。色々論も考えたり調べたりもしつつ、結局一番早いのは司っているご当局ということで、某ハローワークにもお伺いしてみました。

 大要、個人事業の場合にはこの様な制約が及ばないということです。もっとも、積極的な理由というよりは、賃金台帳といったものもないので、どれだけ働いたのか確認出来ないから、といったややもすれば消極的な理由を仰っておりました。

 確認を依頼された立場としましては、出来るか出来ないかと言われたら、禁止されていない以上は出来るという回答は致しました。もっとも、上記の10日・80時間規制の趣旨はご理解下さい、といったことは添えてはおきましたが。費やした時間にかかわらず大きな利益を上げられる方は、その方の才覚だと思えばそれまでですが、制度趣旨を考えますと、すっきりしないところはあります。

 尚、育児休業給付金関係について、法令上の規定を確認されたいという方のために、念のために関連条文を記載しておきます。

 雇用保険法 第61条の4

 同附則 第12条(給付率に関する暫定措置)

 同施行規則 第101条の11

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