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  • 弁護士 岩山勝湖

退職勧奨

先日、外国人の方からご相談を頂きました。大要としましては、「会社から退職勧奨を受けている。それに伴って貰える金銭については、いったん退職してから争おうと思っているがどうか。」といったものです。

実際、退職勧奨に至るときには、その前段において多少ともハラスメントともとれるような行動が会社なり上司なりからある場合は少なくないのですが、それはさておいて、「退職勧奨に同意する」とはどういうことでしょうか。これは、会社が対象とされた方を解雇するものではありません。会社側から身を引いてくれないかという申込を、従業員側が承諾するというものであり、双方の合意に基づくものです。

退職勧奨の際に、一定金額の金銭や福利厚生を会社側が提示して、それを退職の条件とすることは多く行われています。よくパッケージと言われるものです。ただ、会社がパッケージを提供する法的義務があるわけではありません。退職勧奨をするということは、退職してもらいたいと思っているので、退職を受け入れてもらうための材料を提供しているということに他ならないのです。

ですから、一定金額の金銭の支払等で従業員の側がそれを承諾することで退職合意に至った場合、それを後から金額が低廉過ぎるといって争うということはなかなか困難ではないかと思います。

もちろん、後から同時期に同じく退職勧奨を受けて辞めた人と比べて金額が少なかった、過去の他の人への退職勧奨時の方が高かった、といったことがあるかもしれません。しかし、それは退職勧奨の相手方の過去の貢献度・元の給与水準・勤続年数等の多面的な要素がありますし、会社の資金繰りの都合もあり、それは時期を異にすれば当然異なり得ます。その様なことを理由にする場合には、退職に合意する前の交渉として申し出ないと難しいのではないかと思います(申し出ても、会社はそうであれば退職勧奨を撤回する等して、条件は動かさないことの方が多いとは思いますが)。

但し、退職勧奨が違法な言動に基づいていたり、執拗な方法である等といった、従業員側の自由意思が奪われているまたは制約されている状態での同意が認められるものではありません。その場合には、退職勧奨時の金額を争うという構成ではなく、会社側の強迫、錯誤、不法行為といった争い方になるのだと考えらえます。

判例等については、以下のリンクをご参照ください、。

https://www.check-roudou.mhlw.go.jp/hanrei/taisyoku/kansyou.html

https://www.jil.go.jp/hanrei/conts/10/82.html

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