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【成果完成型の業務委託契約】
業務委託契約の基本的な形態としては、工数に基づく請求(履行割合型の(準)委任契約)をすることが挙げられます。
しかしながら、最近はAIの発達もあって、AIを駆使してより迅速に業務を遂行するが可能になった反面、逆に工数が減ってしまう、つまりは業務委託の報酬が減少してしまうという事態にも直面しています。中には、有償のAIサービスを使っている方も多いかと思いますが、費用をかけて便利かつ迅速にすることで報酬が減ると矛盾が生じてしまうことになります。
そこで、特に受託者目線で活用をすべきと考えられるのが、成果完成型の(準)委任契約です。これは、2020年の民法改正で明文化されたものですが、別にこの形態自体は新しく始まった話ではありません。弁護士もそうですが、「成功報酬」という言葉があるように、一定の成果を収めたことによって報酬を支払うということはよくあることで、それが条文化されたということです。システム開発に関する業務委託契約について言えば、いわゆるウォーターフォール型は一般的には請負契約が馴染みますが、開発の途上で仕様等も変わっていくアジャイル開発はこの成果報酬型が馴染むのではないかと考えられます。
<請負との違い>
成果完成型の(準)委任契約も何らかの「成果」を収めないといけないわけですから、仕事の完成を目的とする請負と何が違うのか?というところについて疑問もあるかと思います。これについて少し説明しますと、
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成果完成型とは言っても、(準)委任契約である以上は仕事完成義務を負わない
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委任契約では、成果物が期待に沿っていないとしても、受託者が善管注意義務を果たしている限りは報酬請求権が発生する
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請負契約は契約不適合責任があるが、(準)委任契約にはない
といったことが挙げられます。成果完成型とはいっても、契約の本質は(準)委任契約であるということです。
もっとも、実務的には、100%成果報酬だけに振り切ると、思ったような成果物を納められない場合には報酬がゼロとなってしまうリスクもありますし、成果物を納めるまでは報酬が支払われないとキャッシュフロー的にも厳しいということもあり、履行割合型とのハイブリッドになることが多いのではないかと思います。
なお、契約書の名称にを以って、これは(準)委任契約だ、請負契約だと決まるものではなく、あくまでも契約の内容がどの様になっているか、つまり実質的な内容によって判断されます。つまり、契約書の冒頭に「~(準)委任契約だ」と明確に定めたとしても、検収してエラーが出る度に無償で修正をしなければならない、事後成果物に欠陥があれば修理の責任を負わせるような内容になっている場合には、それは実質的に仕事完成義務を負わせている=請負契約と判断されることが多いだろうとは思われます。
契約書の内容は、委託者側・受託者側かといったことでまた視点も異なりますし、案件毎にもそれぞれ異なるものです。カスタマイズした契約書のご相談がありましたら、当事務所までご相談下さい。
本稿の作成にあたっては、その内容につき検討を重ねてはおりますが、正確性を保証するものではありません。
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