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【退職勧奨】

<法的性質>
退職勧奨とは、会社の方が主導して、退職をしてもらいたいと考える従業員に対して退職を勧めることを言います。退職勧奨の結果、従業員が合意すれば会社と従業員との間の雇用契約を終了させることが出来ますが、退職勧奨には強制力はありません(それは解雇になってしまいます)。つまり、会社と従業員双方の合意による契約の解消です。
*一般的には、「退職してもらえないか」という会社の申し出は「申込の誘引」と考えられていますが、会社が退職合意金を示して退職を促し、それに合意すれば雇用契約の合意による解消(退職)が成立するのであれば、当初の申し出自体を「申込」と解釈することもあり得ると思われます(実務では、就業規則に則った退職届を出させて、会社が受理するといった手続きは、退職合意書を締結すればあれば省略することが多いです)。
<退職勧奨をする際に気をつけるべきこと>
あくまでも会社からの申し出に過ぎず、強制力はないとは言っても、退職勧奨をすること自体、事実上の解雇だと受け取ることも少なくなく、また、実際に退職してしまった場合には失業するわけですから、切り出された従業員にとってはショックは大きいものとなります。そういった中で、幾つかの注意点について触れておきます。
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業務時間内に行うこと:業務時間内であれば、使用者の指揮命令に服している時間ですから、従業員は、話を聞くこと自体は拒否することが原則として出来ません。業務時間内だと他人の目もあるかもしれませんが、それでもきちんと話を聞いてもらうということからは、業務時間内に行うべきです。
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深追いはし過ぎないこと(1):あくまでも任意の退職を促すだけの話であり、強制力はありません。ただ、そうだかといって、執拗に、長時間説得を試みることは、それ自体がパワハラだと言われかねません。時間に決まりがあるわけではありませんが、従業員との質疑があればともかく、30分程度に収めておくことが無難です。
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深追いはし過ぎないこと(2):退職勧奨をした際に、一定の熟慮期間を与えて、再度交渉の場を設定するということは多く行われていることです。ただ、従業員が明確に退職をしない意思を示しているのに、しつこく何度も交渉の機会を設けることもまた、パワハラだと言われかねません。熟慮期間を与えた結果、従業員が拒絶意思を明確にしたのであれば、いったんは退職勧奨は止めるようにした方が良いです。
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会社側は2人で臨むこと:これは従業員との間で言った・言わないといった事態を避けるためです。実際、一人は説明者、もう一人は記録係兼証人といった役割にはなると思います。なお、従業員が一人で臨むのに、会社側が大人数で臨んで説得を試みることは、やはりそれ自体がパワハラだと言われかねません。
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人事評価に反映させないこと:退職勧奨を断ったことを理由にして人事評価を下げることは、それ自体が不当となりますので注意が必要です。なお、従業員のパフォーマンスが低いために人事評価に反映させることはもちろん可能なのですが、その場合でも、「従業員側は退職勧奨を断ったからだ」という解釈をしがちです。そうならないためにも、低い人事評価をするにあたっては、(退職勧奨の有無に関係なくそうでないといけないのですが、)いつにも増して、客観的な事実の説明が必要になって来ます。
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感情的な表現や脅迫的な表現を控えること:退職勧奨に応じないからといって、従業員を侮辱したり、能力不足であることをことさらに強調したり、退職勧奨を受けなければ役職・給与を下げる、およそ無関係な部門に異動させるといった脅しを含むような発言は厳に控えないといけません。これでは退職強要になってしまいます。
<退職勧奨における解決金の相場>
では、どのくらいが退職勧奨における解決金の相場か、ということについては、法的な話とは異なりますし、明確な基準があるわけではありません。対象となる従業員の年齢、役職、業務内容にもよるでしょうし、会社側がどれだけ負担出来るか、会社がどれくらい退職してもらいたいと考えているか、ということもあると思われます。それでも相場を敢えて示すとすれば、給与の3~6か月分程度は相場として一般的には考えられてはいます。
添付は、退職勧奨をするにあたってのスクリプトの一部です。標準的な内容の記載に留まりますがご参照下さい。
本稿の作成にあたっては、その内容につき検討を重ねてはおりますが、正確性を保証するものではありません。
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